
2025年夏の児玉隼人さんトランペットリサイタルツアー、全公演が終了しました。私も子供に誘われて聴きに行きました。トランペットのことはよくわかりませんが、感じたことを綴りたいと思います。現在16歳の児玉さん。テレビや動画で演奏を聴いてからは、生演奏を聴きたくなり、リサイタルに行く日を心待ちにしていました。
16歳のトランペット奏者 児玉隼人さん
児玉隼人さんのことが気になる方も多いと思います。パンフレットと演奏会当日のトークを参考にご紹介させてくださいね。
5歳からコルネットを吹き始めて、9歳でトランペットを始めます。2024年日本管打楽器コンクールで史上最年少で第1位、様々なコンクールでの受賞歴があります。
現在はドイツのカールスルーエ音楽大学プレカレッジで学ばれています。師事する先生のご自宅で生活しながら、学校に通っているとお話しされていました。学校に通い詰めというわけでもなさそうで、先生のお家でレッスンしてもらったり、先生のヨーロッパ演奏について行かれることもあるとのことでした。素晴らしい環境ですね。ピアニストの山中さんが楽しく聞き出していらっしゃいました。
児玉さん、美しい音色で演奏する姿は落ち着いていて貫禄いっぱいですが、トークでは16歳らしい飾らない言葉でお話しされていて、微笑ましかったです。トークは公演を重ねるごとによく話せるようになってきたそうですよ。
プログラム
アンコールやピアノソロの曲は、公演によって異なるかもしれません。
- シャルリエ:36の超絶技巧練習曲 第2番
- シャルリエ:ソロ・ド・コンクール
- トーマスエーラー/フリーマン=アットウッド:トランペット・ソナタ(R.シュトラウスによる)
- 山中惇史 ピアノ・ソロ(モーツァルト:デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲 抜粋版)
- シューマン:アダージョとアレグロ 変イ長調 作品70
- ワックスマン:カルメン幻想曲
- 山中惇史 ピアノ・ソロ(ショパン/ミハウォスキ:小犬のワルツによるパラフレーズ)
- ガーシュウィン(ドクシツェル編):ラプソディ・イン・ブルー
アンコール
- 石川亮太:トランペットラブレター
- J.S.バッハ:わが片足は墓穴に入りて BWV156
心に残った曲
どれも心惹かれる演奏でしたが、今回は特に印象に残った曲をいくつか紹介します。
トランペット・ソナタ
全3楽章の演奏時間は約25分とのこと。先に曲紹介があり、聴く方も心づもりができますね。第1楽章は煌びやかな響きを感じる始まりで、ドラマティックなメロディも現れる美しい曲。ピアノも華やかさを加えます。第2楽章はカンタービレ、児玉さんのトランペットも歌っています。第3楽章は、明るく軽快な出だしの速い曲。ピアノとの掛け合いも楽しいです。
美しい繊細な弱音から豊かなフォルテまで、さまざまな音色を聴かせていただきました。トランペット、管楽器は息遣いでこんなに音を変えられるのですね。そして、ピアノと違って、長く滑らかに音が伸びるところにも改めて管楽器の魅力を感じます。ブレスについては、ピアノの演奏でもトランペットのように自然な感じで入れられるようになりたいなと思いました。長い曲を吹き続ける集中力と内なるパワーにも驚きです。素晴らしい演奏に会場は拍手喝采でした。
アダージョとアレグロ
元はホルンとピアノのための曲、シューマンの作品です。今回、児玉さんはトランペットよりも柔らかな音のフリューゲル・ホルンを使用されました。児玉さん、バルブが4本のものを作ってもらったとのこと。通常は3本のバルブですが、ホルンの曲だから広い音域が欲しいのかなと?後で子供が話してくれました。これからもこのフリューゲル・ホルンでレパートリーを増やされることと思います。
アダージョは、とても温かく心に寄り添ってくれるような響きでした。続いてアレグロは速いメロディでスタートです。本当に16歳とは思えない、大人の歌を聴いているようでした。シューマンはピアノも管楽器の曲も素敵ですね。
ラプソディ・イン・ブルー
プログラム最後の曲は、ガーシュインの有名な曲で気分も高まります。トランペットもピアノも華やかで楽しい演奏でした。それぞれの音がよくホールに響き渡ります。トランペットの輝くような音、ユーモアのある楽しい音、心温まる優しい音も。演奏後の拍手が鳴り止みません。思わず私も夢中で拍手をしていました。なんて幸せな時間!
アンコール曲
盛大な拍手に迎えられ、アンコールは2曲。「トランペットラブレター」は児玉さんが幼少の頃から吹いている曲、ずっと大切にされているのでしょうね。心温まりました。バッハの「わが片足は墓穴に入りて」は美しい曲、カンタータでした。しみじみと胸に響く歌声のような演奏を聴かせていただきました。バッハはトランペットもいいですね。また聴きたいです。
アルバム「Reverberate」より
ピアニスト 山中惇史さん
伴奏は、現在パリにお住いのピアニスト 山中惇史さん。今回、初めて演奏を聴きました。児玉さんと息の合った演奏はもちろん、児玉さんの良さを引き出すトークも楽しませてくれました。
山中さんのソロ演奏も2曲。「デュポールのメヌエットによる9つの変奏曲」は、1曲が長いため抜粋版です。テーマが可愛らしくて好きな曲なので、聴くことができて嬉しかったです。モーツァルトらしく軽やかにキラキラしています。キラキラも山中さんの演奏は気品にあふれたものでした。今度は1曲通して聴きたいな。
そして、トランペットリサイタルなのに児玉さんの超絶技巧に対抗してピアノも超絶技巧を披露するために「子犬のワルツ」を弾くとのこと。笑いを誘う曲紹介、本当にお話しも面白いです。
演奏されたのは、ショパンの「子犬のワルツ」を技巧的に大変難しく編曲された曲。初めて聴きましたが、かなりゴージャスです。まるで宝石を纏った仔犬が何匹もいるような印象を持ちました。クルクル超高速で駆け回っている子犬が目に浮かぶ演奏は、軽快で輝かしくてワクワクしました。
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リサイタルでは、特にトランペットの温かさに触れることができて良かったです。本当にうっとり。児玉隼人さん、日々様々なことを経験しながら、どのように変化を遂げていくのか成長されるのが楽しみです。オーケストラとの競演も今後予定されています。山中さんのリサイタルも聴いてみたいです。また行けたらいいな。いつもより長くなりましたが、ここまでお読みくださり、ありがとうございました。